道東の百名山、3座目は「羅臼岳」です。 世界遺産に登録されている知床のシンボル的な存在です。
道東の3座の中でも1番コースタイムが長い山。そしてヒグマの出没率が高いことでも有名。前日に熊スプレーをレンタルし、レクチャーを受けて万全の準備をして挑んできました(笑)
予報は1日曇り。少しでも展望が望めれば良しと思って期待して登り始めたのですが…。スタート時からすでに霧雨状態…。その後も降ったり止んだりして景色を楽しむこともできず…。修行のような気持ちで何とか登頂。
すると山頂でいきなり晴れるという奇跡。青空が広がり、オホーツク海も見え、国後島もちらっとだけ顔を見せてくれたんです☆ しかも虹まで出現♪ 上から虹を見下ろすという不思議な体験ができて、ドラマチックな展開に感動でした。
山の天気は変わりやすいというけれど、こういう風に好転してくれると本当に嬉しいですね☆ 頑張って登ってきた甲斐がある!! そしてまたこんな登山の魅力にハマっていくんだと思います(笑)
北海道山旅①雌阿寒岳の記事はこちら↓
北海道山旅②斜里岳の記事はこちら↓
北海道山旅④利尻山の記事はこちら↓
厳冬期の知床の記事はこちら↓
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目次
このコースのオススメPoint
知床半島の中央を貫く知床連山の主峰が標高1661mの羅臼岳です。「知床富士」と呼ばれ、綺麗な裾野を持った麓から見ても美しい山です。
知床半島は羅臼・ウトロ間までしか道路が切り拓かれていません。全容を知るにはフェリーを使って海側から見るか、この羅臼岳に登って上から見るか…。
そんな知床半島を山頂から一望でき、オホーツク海と太平洋を同時に見下ろすことができる眺望は本当に抜群です☆ また人が入っていない深い森で覆われている「知床岬」に向かって延びている稜線も心奪われる絶景でしょう。
頂上直下の岩場までは急登も少なくて、なだらかな歩きやすい登山道です。テープがなくても分かるくらいの1本道となっています。迷うこと箇所も少ないでしょう。
素晴らしい眺望、高度感のある岩登り、夏は高山植物の宝庫。そして8月上旬まで雪渓歩きを楽しむこともできます。 ヒグマの存在が気になって足を踏み出せない人も、ヒグマに関する知識をきちんと学んで安心してからぜひ登って欲しい山だと思います。
注意するPoint
最後の岩稜帯が難関ポイントです。ゴツゴツとした大きな岩場は高度感もあり、霧雨で濡れて滑りそうだったのでかなり慎重に進みました。
標高1661mですが、本州の3,000m級の山に匹敵する気候だそうです。少し風が吹いただけでもかなり冷えます。防寒着は必須です。
7月は残雪が多く、9月中旬になると雪が降ることもあり、ルートが分かりにくくなるので注意が必要。
知床は世界有数のヒグマの生息密度を誇っています。羅臼岳の登山道はアリの巣が密集していて、それを狙ったヒグマが多く出没するそう。
前日に知床五湖の遊歩道を歩くためにヒグマに関するレクチャーを受けてきました。また熊スプレーをレンタルした「知床自然センター」で学んだ知識も踏まえてこんな風にまとめてみました。北海道の山はヒグマの出没が多いので躊躇してる人もいると思います。そんな人の参考になれば嬉しいです☆
ヒグマに関する詳細はこちらを参考に↓
https://www.shiretoko.or.jp/library/bear/
登山コース
標準タイム8時間20分(登り:4時間55分 下り:3時間25分)
[登り]木下小屋 60分 オホーツク展望 50分 弥三吉水 60分 銀冷水 30分 1ノ岩場 35分 羅臼平 60分 羅臼岳山頂
[下り]羅臼岳山頂 45分 羅臼平 25分 1ノ岩 25分 銀冷水 40分 弥三吉水 30分 オホーツク展望 40分 木下小屋
アクセス
[クルマの場合]
網走からホテル地の涯まではおよそ90km。
[公共交通機関利用の場合]
知床斜里駅から知床五湖行きバスで岩尾別下車(1時間15分)、登山口まで徒歩1時間。もしくはウトロ温泉までバス、タクシーで20分。
登山口
[岩尾別登山口]
羅臼岳への一般的ルートの斜里側の登山口。標高185m。登山口に「木下小屋」と「ホテル地の涯」がある。羅臼温泉ルートに比べれば登山道が整備されていて、歩行距離も短く標高差も小さい。
[羅臼温泉登山口]
羅臼岳への上級者コース。標高100m。岩尾別コースに比べて、歩行距離も長く標高差も大きくなる。あまり整備されていないので迷いやすい。無料で入浴ができる露天風呂「熊ノ湯」や羅臼温泉野営場がある。
テント場情報
[羅臼平キャンプ指定地]
ヒグマの生息地なので、事故を防ぐためにキャンプ指定地には、フードロッカーと呼ばれる食べ物のにおいを遮断するボックスが設置してあります
小屋情報
[木下小屋]
北海道斜里郡斜里町の羅臼岳登山口にある素泊まり可能な山小屋。名前の由来は、昭和初期に知床連山の登山道を開拓した木下弥三吉さんから取っているそう。日帰り露天風呂あり。靴洗い場あり。登山バッジもここで購入しました。熊スプレーレンタル可能。ガス缶も購入可能。
◎営業期間 6月中旬〜9月下旬
◎素泊まり 2500円(炊事用具、寝具持参)
◎羅臼岳バッジ 500円(2種類)
◎木下小屋オリジナル・ポスター 500円
◎木下小屋オリジナル・バンダナ 1500円
◎熊スプレー 1000円/日
羅臼岳のバッジの情報も載ってる北海道の山バッジコレクションはこちらです↓
[ホテル地の涯]
北海道知床の世界自然遺産の中に建つ一軒宿。まわりにホテル以外の建物もなく電線もない知床の奥地です。原生林に囲まれた庭園露天風呂で源泉かけ流しの温泉が楽しめます。登山口はすぐ裏手です。
◎営業期間 4月下旬〜10月下旬
◎日帰り入浴 1000円(11:00~18:30)
「ホテル地の涯」の駐車場について
舗装してあるところは宿泊者用の駐車場です。芝生部分、未舗装部分(5.6台)、路肩部分が登山者専用です。もしくは木下小屋の前の駐車スペース(5.6台)を利用すること。
下山後の温泉&ごはん
[ウトロ温泉 夕陽台の湯]
知床斜里町ウトロの市街地から温泉街に向かう坂を登った高台の上にあり、ログハウス風に建てられた公共温泉施設。
◎営業期間 6月〜10月
◎営業時間 14:00〜20:00
◎入浴料 500円
[しれとこ海鮮料理 番屋]
前日の夕飯は知床の海を知り尽くした元漁師の店主が営む和食処へ。
◎営業時間 11:00~14:00、17:00~24:00
◎駐車場 有
◎知床生寿司 2500円
注意)ウトロの街は昼間のみ営業のお店が多いです。観光地なので夜ご飯は宿で取ることを前提にしているのかもしれません。夜営業しているお店を探すが大変でした。
ちょこっと観光
[知床五湖]
羅臼登山の前日に、知床五湖を散策してきました。羅臼岳と硫黄山の麓、原生林の中にある自然の息吹が感じられる5つの湖です。世界自然遺産を歩くことができるという貴重な体験です。
5つの湖を周る地上遊歩道は約10分レクチャーを受講することで散策可能(1人250円)。そのレクチャーでヒグマに関する知識を学ぶことができました。羅臼登山前に聞けてよかったです。また全長約800mの電気柵が張り巡らされているため安全な高架木道(無料)から展望を楽しむこともできます。
◎営業期間 4月下旬〜11/8
◎営業時間 8:00〜17:00 (10/21以降8:30 〜16:30)
◎知床駐車代 500円
[知床自然センター]
斜里町ウトロから知床峠方面へ向かう「国道334号線」と、知床五湖方面へ向かう「道道知床公園線」の分岐点に位置する知床自然センター。知床の自然についての情報提供、レクチャーコーナー、展示、大型スクリーンでの映像など。熊スプレーなどレンタルサービスが充実。ここで熊スプレーをレンタルして次の日の登山に備えます。
◎営業時間 8:00~17:30(4月20日~10月20日)9:00~16:00(10月21日~4月19日)
◎駐車場 120台(無料)
◎熊スプレーレンタル(24時間1000円)※使用した場合は10,000円
[知床食堂]
下山後、「日本一開通期間の短い国道」である「知床横断道路」で知床峠を通って羅臼町を目指してドライブ。知床峠は知床八景の一つでドライブコースとしても人気。ここから羅臼岳を見たかったけど残念ながら真っ白…。
北方領土・国後島に一番近い道の駅「知床・らうす」隣接の「知床食堂」で遅めのランチ。道の駅売店では海産物をはじめとした物産品が入手可能。お土産購入にオススメ☆
◎営業時間 8:00~20:00(4月上旬~11月 無休)
[純の番屋]
道の駅の近くにある観光スポットに立ち寄り。
「北の国から2002〜遺言〜」でおなじみの純の番屋を再現してるお店です。北の国からファン必見(笑) 目の前に広がる海に浮かぶ国後島を眺めながら食事が楽しめます。
◎営業期間 4月末~10月末
◎営業時間 9:00~16:00
最後までお読みいただきありがとうございます♪
「世界遺産に登録されている自然豊かな道東の百名山☆羅臼岳」の記事をお届けしました。
この記事に興味を持っていただけたら、また読みにきてもらえると嬉しいです。
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