2019年のGWは「平成」から「令和」へと時代が変わるとても特別な長期休暇。そんな記念すべきGWになんと7日間も山に篭ってきました(笑)
「平成最後」にどこに山に登るのか…?
平成から令和へと新時代を迎える瞬間をどこで過ごすのか…?
そして「令和元年」の初登山にどこの山を選ぶのか…?
私の平成最後は残雪の「涸沢カール」へ。登山者の憧れ的な存在の「涸沢」は初めてのテント泊を経験し、何度も訪れた思い入れの深い場所。
秋の「涸沢」で色鮮やかな紅葉と岩のグラデージョンと、初めてのモルゲンに息を飲むような感動を味わい、同時に強風でテントごと飛ばされていた登山者を目撃…(笑) 自然の力の凄さを目の当たりにした衝撃的な体験。
初めてのテント泊なのに台風のような雨風に打たれ、テントが左右に大きく揺れて眠れない夜を過ごしたあの日。いま思うと最初にそんな体験をしてよく登山を続けているなぁ〜と(笑)
そんな涸沢には秋にしか行ったことがなかったのでぜひ雪を被った白銀の光景を見てみたいとずっと思っていました。
そして残雪の「北穂高岳」にもチャレンジ♪ 残雪とはいえ3000m級の北アルプスの雪山です。滑落・雪崩の危険のある長い雪の急斜面を登るので、雪山経験と技術が必要な山。少しでも天候&風の状況が悪かった場合は中止にするつもりで入山。しかし運良く風も弱く、天候に恵まれ、平成最後に雪を被った憧れの穂高に登頂☆
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とても感動的な瞬間をうまく言葉に表せるか心配ですが、GWの7日間を2回に分けてお伝えしようと思います♪
目次
このコースのオススメPoint
GW以降に入山可能になる雪深い山域で残雪登山を楽しめるテント場と言えば…。
北アルプスでは立山の「雷鳥沢」と、今回の「涸沢」の2箇所が人気のスポットでしょう。
どちらも魅力的な山域ですが…大きく違うのは移動距離。「雷鳥沢」は室堂から約1時間で到着できるが、「涸沢」は上高地から約6時間もテント装備を担いで登らないと辿り着かないというところ。
涸沢までの長くて、大変な登りは体験した人にしか分からない達成感です。苦労して辿り着いた白銀の涸沢カール。紅葉の素晴らしさとは全く違う光景です。岩と雪のモノトーン、そして空とのコントラスト。あまりの美しさに心が華やぐ、そんな気分。
あの有名な涸沢カールの「モルゲンロート」。雪面が淡くて綺麗なピンク色に染まっていく様子もこの時期ならでは。周囲は3000m級の名峰に囲まれ絶景を楽しみながら至福の時間を過ごすことのできる2つの小屋のテラス席も最高です。
そして今回チャレンジした「北穂高岳」は標高3106m。3000m級の雪山に登るということは滑落と雪崩の危険を常に感じながら、日常では味わえない緊張感を体感できます。
山頂からの景色は数々の雪の名峰が見渡せる素晴らしいロケーション。すぐ近くに槍ヶ岳。南側は奥穂高岳~ジャンダルム。東側には常念~蝶ヶ岳。黒部五郎、双六、三俣蓮華、鷲羽、薬師。笠ヶ岳の向こうには白山などなど…。
急な雪の斜面の登り下りで怖さを感じることもありましたが…。
登頂したときの歓喜&高揚感。山頂からの間近に迫ってくるような白い峰々の絶景に感動。無事に下山できたときの安心感&達成感。
平成最後の登山は、様々な感情が沸き上がる感動的なひとときでした☆
<上高地〜横尾まで>
<横尾〜涸沢まで>
<北穂ピストン>
<涸沢〜徳沢まで>
注意するPoint
<上高地〜徳沢まで>
平坦な道ですが、所々に登山道沿いに雪が残る。凍ってアイスバーンになってる所の脇を歩くことも。また落石跡があるので注意して歩くように。
<横尾まで>
徳沢から横尾の間もほぼ平坦ですが残雪多し。トレースがしっかり付いているのでアイゼンなしで大丈夫ですが、スリップには注意です。
<涸沢まで>
本谷橋から本格的な登りになり、日が昇るにつれて直射日光が当たりかなり体力を消耗する。
また直射日光&雪の照り返しを受けて日焼けも凄いです。次の日、鼻や頬、耳や首、唇など見えているところが日焼けでガサガサになってしまいました。こまめに日焼け止めを塗りましょう。
<北穂ピストン>
涸沢小屋の上、北穂沢の斜面を登っていきます。トレースがあり、ステップになっているので午前中雪が締まった状態の場合は登りやすい。
ただ途中、ステップが踏み跡によって分かりにくい箇所もあり。かなりの急斜面なので慎重に自らステップを切って登っていく必要があり、そこだけは少し怖さを感じました。
コルに出るまでずっと急斜面が続くので雪崩・滑落に特に注意が必要です。状況によってはダブルアックスやロープを使った確保が必要になることもあるそう。強風や悪天候が予想される場合は登山を中止にするのが安全だと思います。
実際、涸沢に到着する前に、涸沢カールより上部2箇所で雪崩が発生。幸い怪我人はいなかったようですが奥穂高岳へ登山中の30名近くが巻き込まれたそうです。
<下山、涸沢〜徳沢まで>
午後になってしまったので、涸沢から本谷橋付近までの雪はグサグサ状態で滑りやすかったです。装備が重いので踏み抜きやスリップしないように注意しながら下山。
天候悪化が予想されていたので北穂から戻ってすぐに徳沢まで降りることにしました。予定していなかった長丁場になり、脚が限界だったので横尾からは雪のないルートを選択。この時期の雪道が心配な人は、横尾から雪のない沢沿いの車道(砂利道)を通って「新村橋」を渡って徳沢への登山道に合流できるこのルートを使うと安心です(コースは下のmapを参照に)
登山コース
1st DAY 3時間10分
上高地 60分 明神 60分 徳沢 70分 横尾〈テント泊〉
2nd DAY 3時間20分
横尾 80分 本谷橋 120分 涸沢〈テント泊〉
3rd DAY 北穂ピストン5時間 下山3時間10分
涸沢 180分 北穂高岳 120分 涸沢<テント撤収> 涸沢 120分 横尾 70分 徳沢〈テント泊〉
アクセス
[公共交通機関利用の場合]
◎電車+バス利用
JR松本駅から松本電鉄で「新島々駅」。バスまたはタクシーで上高地バスターミナルへ(1時間30分)
◎アルピコ高速バス「さわやか信州号」
新宿から直行バスで上高地バスターミナルへ(6700〜9700円)
※東京・渋谷・竹橋からの高速バスもあり
[クルマの場合]
東京から沢渡駐車場まではおよそ250km。
※マイカー規制のため、沢渡駐車場から上高地まではバスorタクシー利用(約30分、1250円)
登山口
[上高地]
槍・穂高連峰をはじめ北アルプス南部の代表的な登山口。 釜トンネル入口から上高地までは一般車の通行が通年禁止。長野県側なら沢渡から、岐阜県側は平湯温泉からバスまたはタクシーを利用。
上高地バスターミナルには売店、公衆トイレ、喫茶、食事処、上高地観光センター、ビジターセンター、インフォメーションセンターなど充実の施設。ホテルや旅館、キャンプ場なども数多く点在している。
小屋情報
[横尾山荘]
槍沢と横尾谷が合流して梓川の起点となる場所に位置する山小屋。河童橋からゆっくり歩いて約3時間。涸沢カール・穂高岳への道、槍ヶ岳への道、蝶ヶ岳や常念岳への道の分岐にある登山基地。
◎外来食堂(昼食営業) 10:00~14:00
◎売店 6:00~18:00
◎客室数 二段ベッドタイプの相部屋 30室(定員250名)
[涸沢ヒュッテ]
上高地から約6時間。登山者の憧れ「涸沢カール」前にある山小屋。雪崩から建物を守るための石積みの上に建っている。紅葉の最盛期には3人で1枚の布団になるそう。
◎収容人数 170人
◎営業期間 4月末~11月初旬(2019年は4月27日〜)
◎標高 2309m
↓売店のメニューは充実してます
◎涸沢ラーメン 1000円
◎ビーフカレー 1000円
◎生ビール 800円
◎缶ビール レギュラー 500円 ロング 700円
◎コーヒー 400円
◎ペットボトル 400円
[涸沢小屋]
涸沢小屋は、涸沢カールを見渡す標高2350mの南斜面に立つ、三角屋根の小屋。穂高連峰登山の拠点、気軽に立ち寄れる休憩場所でもあります。涸沢ヒュッテとは対照的に、切り立った断崖にへばりつくように建てられている。
◎収容人数 100人
◎営業期間 4月末~11月初旬(2019年は4月27日〜)
◎標高 2350m
◎うどん、カレーライス 1000円
◎おはぎ 200円(←行動食にオススメ)
[北穂高小屋]
北アルプス主稜線上の北穂高岳にある山小屋。長野県と岐阜県との県境付近に位置している。 富士山の山小屋を除く有人の山小屋としては最も標高が高い。
◎収容人数 80人
◎営業期間 4月末~11月初旬(2019年は4月29日〜)
◎標高 3100m
◎テント泊 1000円(幕営数20張)
◎北穂高岳バッジ
◎コーヒー 400円
◎ペットボトル 400円
北穂高岳のバッジの情報も載ってる北アルプスの山バッジコレクションはこちらです↓
[明神館]
上高地から1時間。梓川左岸に建つのが明神館。徒歩5分の明神池は朝もやが神秘的。明神から明神池間は上高地のパワースポットと言われている。休憩・宿泊可能。公衆トイレあり。
◎部屋数 34室
◎営業期間 4月末~11月初旬(2019年は4月29日〜)
◎食事&喫茶 7:00~15:00
◎売店 7:00~17:00
テント場情報
[横尾キャンプ場]
◎幕営数 約100張
◎利用料 700円
◎公衆トイレあり
[涸沢キャンプ場]
涸沢カール内の二つの山小屋に挟まれた岩場のエリアがテント場です。涸沢をベースに日帰りで奥穂高や北穂高といった穂高連峰に行くことができます。
◎受付 13時〜
◎利用料 1000円
◎水場&トイレ 涸沢ヒュッテの小屋を利用
◎小屋での食事も可能
夕食 2500円
朝食 1500円
お弁当 1000円
今回の山で使用した便利グッズ
今回、冬装備&6日分の食料ということでザックの容量が足りない…。 厳冬期シュラフは諦め、残雪&秋用の「ダウンハガー800 Women’s #2」にしました。雪上キャンプとなった横尾、涸沢では背中に少し底冷えを感じましたが、眠れないほどではなかったのでこの選択で正解でした。
他にも防寒として持参したのは
厳冬期用のダウンジャケット「マウンテンイクイップメント Cloud Duvet」
ダウンスカート
ダウンパンツ
ダウンシューズ
フリース靴下
「モンベル クリマプラス100 ソックスフィット」
ハクキンカイロ
諸々すべて使いました(笑)
雪山テント泊の装備についての詳細はこちら↓
2019年GW記念登山②のレポートはこちら↓
最後までお読みいただきありがとうございます♪
「GW残雪の涸沢カール&北穂高岳」の記事をお届けしました。
この記事に興味を持っていただけたら、また読みにきてもらえると嬉しいです。
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