2018年夏の遠征登山、最後を飾るのは北海道の真ん中にそびえ立つトムラウシ山。
十勝岳と大雪山の魅力に圧倒されて満足していたので、そこまで期待せずに挑んだ山行。いまひとつ期待できなかった理由…7月上旬の情報ではコース上の残雪量も多く、雨の日が続いていた為に泥道で歩きにくいとのこと。
またトムラウシ山と言えば、夏山史上最悪と言われる、2009年7月に起きた8名の犠牲者を出した『北海道・トムラウシ山遭難事故』を思い出します。少し怖いイメージが定着してしまっていたのですが…。
山頂周辺は神々の庭とも呼ばれ、色鮮やかな高山植物のお花畑と、様々な池塘や沼、巨大岩、雪渓、岩場で鳴く可愛いナキウサギなど、手つかずの自然が残っている雄大でとても美しい山。そんなマイナスイメージを覆してくれた美しい大自然が残るトムラウシ山。ロングコースなので達成感と充実感をたっぷり味わえます☆
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唯一日帰りが可能なのはトムラウシ短縮コース登山口。CTはなんと約12時間!! 早朝出発&健脚者向けのコースで山頂を目指しました。
北海道の百名山①☆十勝岳&美瑛岳コースはこちら↓
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北海道の百名山②☆大雪山黒岳とお鉢平めぐりはこちら↓
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目次
このコースのオススメPoint
トムラウシ山は、北海道中央部、美瑛町と新得町の境にそびえる大雪山系南部の標高2141 mの山。
登山口から1時間ほど歩くと「カムイ天上」に到着。ここまで草木に覆われていて展望は少ないですが早朝は日陰なのでまだ涼しく歩けます。この日は綺麗な雲海が広がってたのでその景色を楽しみながら進む。晴れた日が続いていたので泥道もほとんどなし。心配していた雪渓も全くなくて歩きやすかったです。
カムイ天上から2時間ほどで「コマドリ沢分岐」。一番キツいのはここから先の前トム平まで。急登に備えてエネルギー&水分を補給できる休憩ポイントです。
前トム平手前で聞き覚えのないの鳴き声…。辺りを見回したら氷河期から生息し続けるという珍しい「ナキウサギ」が姿を見せてくれました☆ トムラウシ山は日本最大のナキウサギの生息地なんです。
前トム平からガレ場を進むと「トムラウシ公園」。雄大な巨石群と色とりどりの高山植物が咲き乱れる姿に感動します☆
そして「南沼キャンプ場」までくればあとひと踏ん張り。山頂からの360度の大展望は最高のご褒美になりました。 旭岳や黒岳、十勝岳など大雪山系の山々、ロックガーデン、北沼など自然度の高さが素晴らしいです☆
トムラウシ山は本当に長くて遠い遙かなる山でした。どこの登山口からも遠く奥地にそびえ立っている。それだけに残されている雄大な自然は手つかずのまま。日本とは思えないスケールの大きい景色を存分に楽しめた満足のコースでした。
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トムラウシ短縮コース登山口からスタート。長丁場です。
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展望なしのカムイ天上。
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南富良野方面が雲海に包まれています。
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とても幻想的。
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3日前に歩いた十勝岳が見えてきました。茶色の山肌は遠くからでも分かりやすい。
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コマドリ沢出合に到着。
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ここからが1番急なポイントですが登りは日陰で助かりました☆
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ですが下りは風もなく直射日光がガンガン当たり、暑くて暑くて…(笑)
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「ナキウサギ」アップで。鮮明な写真は撮れませんでした…。
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前トム平に到着。
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ここで信じられない光景。シュラフやマットなどのテント泊装備がザックごと捨てられていました…海外の観光客が捨てていくそうです(この方は散らかった物を片付けてあげています)
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遠くの山々が幾重にも重なっていて繋がっている。こういう景色お気に入りです☆
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この岩場いくらなんでも広大すぎます。北海道は岩場のスケールも大きいんですね☆
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岩稜帯が延々と続きます。
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山頂が見えてきました☆
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トムラウシ公園に到着☆
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池塘、沼、岩、雪渓、草の緑に青空が映えます♪ 素晴らしい風景☆
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高原植物が咲き誇るまさに自然の庭園。
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珍しい高山植物のお花畑が一面に!
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左からチングルマ/エゾイワツメクサ/エゾヒメクワガタ(詳しくないのでたぶんです)
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他にも様々なお花たちが出迎えてくれました♪
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南沼キャンプ指定地です。避難小屋はなく携帯トイレブースだけ。
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人口物が全くなく開けているので景色は最高。逆にこんなヒグマが出没しそうなところで、テントを張るのは勇気がいるかと(笑)
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山頂直下です。あとひと踏ん張り!
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ついに北海道の中心、トムラウシ山に登頂!
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山頂からは十勝連峰もくっきり♪
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反対側には一昨日登った大雪山の黒岳&お鉢方面。
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青々とした北沼。雪渓とのコントラストが素敵ですね♪
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ロックガーデンと大雪山へと続く稜線。大雪山系の山々を縦走で楽しむ登山者が多いのが分かります。歩いてみたくなる道。
注意するPoint
登山口からカムイ天上まではドロドロとした急斜面が多いです。
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泥の多い地帯は木道で歩きやすくなってます。
そして7月中旬までは雪渓が多く残るそう。軽アイゼンを持参したのですが5日前にコース上の残雪はすべて消えてました…(東大雪荘にて登山コース情報が細かく掲示されてます)
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コマドリ沢の急斜面は雪渓が遅くまで残るところのはずなんですが…。
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東大雪荘の登山情報
長いコースなので早朝出発が基本。小屋もないし、天候によっては夏でも氷点下まで気温が下がる事があるそう。体力・脚力・防寒・水分栄養補給が必須です。この日の為にロングコースの日帰り登山でトレーニングして挑みました(丹沢主脈縦走&鳳凰三山など)
コマドリ沢分岐〜前トム平あたりはヒグマの目撃情報が多いようです。 またコマドリ沢から山頂までゴロゴロとした歩きにくい岩場が続くので転倒に注意しましょう。この日はほとんど風がなかったですが…トムラウシ公園からトムラウシ分岐までは風の通り道です。強風時は遮るものが少ないので注意が必要。
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このあたりから前トム平までは、ヒグマが多く発見されているそう。
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前トム平に向けて岩ゴロゴロの歩きにくい道をマーキングを頼りに進みます。
雪渓情報(2018.7.28時点)
コース上に雪渓が残っている箇所はなし。ここ数日の全国的な異常な暑さの影響だと思われます。
水場情報(2018.7.28時点)
コマドリ沢と南沼キャンプ場の2ヶ所(要煮沸)
登山コース
標準タイム11時間50分(登り:6時間50分 下り:5時間)
[登り]トムラウシ短縮コース登山口 90分 カムイ天上 110分 コマドリ沢出合 60分 前トム平 120分 トムラウシ分岐 30分 トムラウシ山
[下り]トムラウシ山 15分 トムラウシ分岐 90分 前トム平 35分 コマドリ沢出合 95分 カムイ天上 65分 トムラウシ短縮コース登山口
アクセス
[クルマの場合]
札幌からトムラウシ温泉まではおよそ220km。トムラウシ温泉からトムラウシ短縮コース登山口まで林道で約20分。
道央自動車道 札幌JCT→千歳恵庭JCT→道東自動車道 千歳恵庭JCT→十勝清水IC→国道274号→国道38号→国道274号→国民宿舎東大雪荘→トムラウシ短縮コース登山口
富良野からトムラウシ温泉までおよそ120km。トムラウシ温泉からトムラウシ短縮コース登山口まで林道で約20分。
※トムラウシ温泉から林道を20分走った先に駐車場があります。道が狭く舗装されていない砂利道なので気を付けて走りましょう! またGogleマップではこの林道は途中から表示されません。違う道(1時間)を案内されてしますので別れ道での看板を見逃さないように注意!!
[公共交通機関利用の場合]
新得駅から夏季のみ、トムラウシ温泉線(拓殖バス)が運行。90分、予約制。
登山口
[トムラウシ短縮コース登山口]
トムラウシ山短縮登山口までは、トムラウシ温泉「東大雪荘」から「ユートムラウシ林道・ユートムラウシ第2支線林道」の8km、車で約20分。林道はダートで凹凸が激しい。
◎標高 960m
◎駐車場 約30台(無料)
◎男女別バイオトイレあり(6月中旬~9月下旬のみ使用可。携帯トイレ回収BOXあり)
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駐車場。
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駐車場前のバイオトイレ。
[トムラウシ温泉]
東大雪荘の入口付近に登山者用の駐車場あり。水場・登山届は東大雪荘を利用する。
◎標高 660m
◎駐車場 約50台(無料)
◎トイレあり(24h利用可)
テント場情報
[南沼キャンプ指定地]
トムラウシ山山頂より南側。避難小屋はなく携帯トイレブースだけ。近くに雪渓があり、融雪水を補給可能(要煮沸)
◎収容人数 テント20張りほど
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下山途中で小学生の団体に遭遇。装備担いで登ってくるだけでも大変なのにここでテント泊するとはホント凄いです!!
宿泊施設情報
[公営国民宿舎 東大雪荘]
旭岳や黒岳、十勝岳方面から縦走してきた場合のゴール地点。ここで宿泊して次の日「新得駅」までバスでアクセスすることが可能。
◎営業期間 通年
◎収容人数 29室
◎料金 7000円〜(1泊2食)
◎アクセス JR石勝線・根室本線「新得」駅 → 車で60分
※夏期は拓殖バス運行(予約制)90分
※拓殖バス運行期間外は「新得駅」「帯広駅」より無料送迎あり(1日1便・要予約)
[トムラウシ自然休養林野営場]
トムラウシ温泉東大雪荘から約700m程の位置にある野営場。
◎営業期間 7月〜9月
◎収容人数 150張
◎駐車場 70台
◎テント泊 250円
下山後の温泉
[公営国民宿舎 東大雪荘]
ユウトムラウシ川を見下ろす絶景露天風呂の雰囲気が最高です。天高8mのガラス張りで自然光に溢れた大浴場。ヒノキ風呂やミストサウナもあり☆
◎入浴時間 12:00〜20:00
◎日帰り入浴料 500円
◎レストラン完備(11:30〜14:00)
◎トムラウシ山バッジ 650円
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森の中にあるような露天風呂。内湯もガラス張りなので自然を満喫しながら入浴。
トムラウシ山遭難事故について
2009年7月、悪天候に見舞われ、ツアーガイドを含む登山者8名が低体温症で死亡した『北海道・トムラウシ山遭難事故』。夏山の山岳遭難事故としては近年まれにみる数の死者を出した惨事となった。
トムラウシ山遭難事故の死の原因となった低体温症とは、体温の低下に伴って体に異変が生じ、最後には死に至るという恐ろしい症状。
同じ条件下で生死を分けたのは…
- 悪条件の避難小屋で十分な睡眠がとれたか。
- 早めに暴風&防寒対策をしたか。
- こまめに糖分補給できたか…
基本前泊が多いので睡眠不足で登ることもある。雨で濡れてもテント泊だと十分に衣類を乾かすことが出来なかったり、いつもすぐに取れだせるところに行動食を入れてないこともある…。山登りをしている限り低体温症は誰にでも起こりうる。きちんとした知識と対応をするべきだと改めて考え直すきっかけとなりました。
トムラウシ山遭難事故について詳しく知りたい方は…
「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか」をぜひ読んでみて下さい。
今回の山旅でGETしたバッジ↓
関東では情報が少ないので北海道の山が詳しく載ってるこの本はオススメです☆ 「分県登山ガイド 00 北海道の山」
トムラウシ山のバッジの情報も載ってる北海道地方の山バッジコレクションはこちらです↓
![](http://happy-mountain-life.com/wp-content/uploads/2018/08/hokkaido-300x300.jpg)
下山後のごはん&ご当地グルメ情報はこちら↓
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北海道のオススメ観光スポットはこちら↓
![](http://happy-mountain-life.com/wp-content/uploads/2018/08/shakotan1-300x300.jpg)
最後までお読みいただきありがとうございます♪ 「北海道の百名山☆トムラウシ山」の記事をお届けしました。
この記事に興味を持っていただけたら、また読みにきてもらえると嬉しいです。
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